那須塩原に暮らす人

自分に戻れるまち。ヨガインストラクター。渡邉智美さん

プロフィール 那須塩原市出身。ヨガインストラクター。産前産後の不調の経験から「ママのためのクラス」も充実させ女性のライフスタイルにあったヨガを提供中。我が子との写真を撮るのが好きな2児の母。

自分一人の時間も楽しめて、
自分を解放できるヨガ。
新幹線で通いながら講座を受講しインストラクターへ

初めてヨガを体験したのは12年前です。何か習い事をしようと思っていた時、友人がやっていたヨガとフラダンスを両方体験したんですね。その時、ヨガを体験して感じたことは、みんなでやるんですけど、自分ひとりの時間を楽しめるということ。ひとりになってすごく気持ちよかった、解放されたという経験に感動したことが始めたきっかけです。

実は今でもそうなんですが、ヨガを仕事にしようとは思っていなかったんです。定期的にヨガを続けてきて3、4年たった頃に、「東京のヨガはどんな感じなんだろう、どんな講座があるのだろうか」とインターネットで探していたところ、この辺りでは聞いたことがなかった「陰ヨガ」という種類のヨガがあるのを知って、ドキドキしながら受けに行ったんです。その時に身体の解放だけじゃなく心の解放をたった1回だけで経験でき、この「陰ヨガ」って何だろうって興味を持ったんです。今まで習ってきたヨガとは対極にある感じがしました。そして自分のために勉強してみたくなったんです。それが講師養成講座を受けるきっかけでした。その陰ヨガを勉強していく中で、那須塩原でヨガをやっていた仲間に「陰ヨガ」の話をしたら、「教えて」って言われて、当初はお金ももらわずに、自分の知っている知識を話していたんです。そのうちに、教えてもらいたいという人が増えて、たくさんのサポートがあって今があります。

「陰ヨガ」の養成講座は5日間だったので、東京に泊まったのですが、他にも200時間の講師養成講座を受講しました。それは6ヶ月間、新幹線で通っていました。

東京までは1時間ちょっとなので、今も月に2、3回は東京まで行って勉強しています。そんな近いところにヨガを学べる場所があって、那須塩原市に住んでいて本当によかったと実感をしています。

自然を感じながら公園で行うパークヨガ。
自然とつながることで
那須塩原の良さを再発見。

那須塩原市は都会的なところもあれば、自然も近くにたくさんあります。ヨガを通じて那須塩原市の自然の良さや豊かさも知ってもらえればと、6年くらい前から公園で行う「パークヨガ」というのを企画して行っています。パークヨガに来てくださる生徒さんからは、「こんなに自然って綺麗なんですね」とか「いいまちだね、この公園ってこんなによかったんだね」とヨガだけじゃなくて自分の住んでいるまちに対してもいいまちなんだなって受け取ってもらえてるというのも、那須塩原市だからこそだと思います。

また、ヨガのポーズには「木のポーズ」であったり「山のポーズ」であったり、「動物の名前」であったり、“自然に通じるもの”がたくさんあります。たとえば木のポーズで、裸足で芝生の上に立って大地とつながり感じることで意識がしやすくなり、自然との一体感を感じることでイメージしやすくなります。そして自分と自然がつながっているんだなと実感をしてもらえます。

私の役割は人と人とをつなぐこと。
その輪が広がって今のヨガ教室があります。

私のヨガ教室はコミュニティづくりの場にもなっているのかなと思うんです。初めてヨガ教室に来てくださる人には移住者の方も多くて、友達を作りたいとか知り合いを作りたいという理由で参加してくださる方もいます。ヨガをした後って心も身体も解放されて、“素の自分”で話せる空気感があるんです。ヨガを通して、年齢も幅広く、妊娠中の方も産後の方もそうでない方も、たくさんの人たちとつながっていく、そういう意味では、私自身も人と人とをつなぐ役割を果たしているのかなと思います。

人と人とがつながる安心感。自分らしい生き方をする上でも周りのサポートはすごく重要ですよね。

私の場合は、自宅で少人数で行ったり、公民館を借りるなどして、少しずつできることをやっていったら、いつの間にかそこに入れない人がでてきて、このスタジオができたんです。なので、いきなりお店を持つとか開業するとかではなく、身近な人に提供できることを少しずつ始めるのがよいのではと思います。家でお友達を呼んでやってみるとか、会社勤めでも休日の日に友達を集めて何か提供してみるとか、そんなところから始めるのがベストなのではと思います。

私の場合も友達が友達を呼んできてくれて、小さなつながりがどんどん大きくなって、形になっていったんです。小さな1歩でも大きな成果につながるのを実感しています。

 

子ども産んでから気が付いた
人の優しさがあふれるまちと
ほどよい距離感の心地よさ。

東京には2年くらい住んでいました。東京にいたときはどうしても表面的なつながりが多く、深いところで本当の悩みを打ち明けられるとか、この人たちの前だったら泣いてもいいやというように自分を解放できる空間が持てなくて、仕事と家を行き来するだけの生活でした。家は寝に帰るだけ。「私は何のために生きているんだろう」とふと思ったこともありました。この生活、10年後は続けていきたくはないなと思って、那須塩原に戻ってきました。

那須塩原市は自然を感じられたり季節を感じられたりして、“自分に戻れる”時間がたくさんあるんです。

さらに、人のよさを感じています。困っているときは親身に助けてくれるし、だからといって干渉しすぎない。よい距離感で接してきてくれるし、ほんと温かいんです。特に子どもを産んでからは、なおさらそう感じています。お店に行っても親切だし、周りのお母さんたちも親切で、子どもを産んでから特に那須塩原市に住んでよかった、帰って来てよかったと実感しています。

今の私が在るのも、地域に住む人たちのおかげ。
一歩踏み出す勇気をくれたんで前職のオーナーの言葉。
地域の人から応援されているという安心感。

このヨガスタジオを作る予定はなくて、もし作るとしても子どもが学校にあがってからかなと思っていました。でも他のところでは手狭になってしまったし、主人がこの場所も見つけてくれて、「ヨガスタジオをやったら」と一歩踏み出す勇気をくれたんです。

でも、珍しくネガティブになってしまって…。場所も目立たないところだし、3階だし、どうしようって。そこで、以前の職場であるSHOZOカフェのオーナーの省三さんが、「予約制のヨガスタジオなんだし、通りから面してて人がふらっと入ってこれないほうがいい。駅前だし、これから図書館ができたり交流センターができたり場所もいい。やったほうがいいよ。」と何も心配いらないよって感じで包み込んでくれたんです。今の私があるのも、地域に住む人たちのおかげです。

 

※国の重要文化財にも指定されている旧青木家那須別邸前ではじめてパークヨガを開催。パークヨガは今まで50人の参加が最大でした。100人でパークヨガをやることが当初からの夢です。

 

※今準備中なんですが、アロマトリートメントをやりたいと思っています。人に触れてもらうことで気づくことも多いんです。コリをほぐすとかマッサージをするとか、そういった種類のものではなくて、触れることで今まで気づかなかったことに気づいてもらったり、アロマの香りからも気づきをもらえるよう、ヨガに来てくださっている方を対象に行いたいと思っています。

 

 

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